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ゴールデンカムイ 第10巻 配信開始 野田サトル
明治期の北海道を舞台とした野田サトルのマンガ「ゴールデンカムイ」の単行本第10巻のネット配信が開始された。紙の束である単行本は1か月前に発売されている。

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日露戦争の生き残り杉元佐一は、戦死した戦友の妻であり幼馴染の眼病を治すため一攫千金を狙い開拓時代の北海道に渡る。北海道は砂金が採れると、ゴールドラッシュに沸いていた。
そこで出会ったアイヌの少女アシリパと、アイヌが隠したという金塊を探すことになる。金塊の隠し場所は網走刑務所の受刑者たちの体に掘られた刺青地図が示すと言うが、暗号のようであり、しかも一体の刺青では隠し場所はわからず、何体もの刺青を集めなければならなかった。

さらに金塊を狙うのは杉元たちだけではない。隠し場所の謎を追いながら、邪魔をする敵たちと戦い、隠し場所を知るという囚人<のっぺらぼう>に会いに、網走へと向かう。


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まるで宝探しのロールプレイングゲームのような構成で、次々と新キャラが出てきて息つく暇もない。

もう一つ、この漫画が面白いのは、当時のアイヌの暮らし、とりわけアイヌ料理への造詣が深く、さまざまなアイヌ料理が紹介される。今では食べられない野生動物を使ったものもある。

いっぽうで、人を殺しすぎるという批判もある。むろんマンガなのだが、当時の北海道とて、さすがにここまで無法地帯ではないだろう。

ようやく第10巻までそろったが、このままではまだまだ続きそうで、幾重にも貼られている伏線がどういう結末になるのか、先を急ぎたい気持ちと、じっくりと楽しみたい気持ちが入り乱れている。

  
| 読書 | 22:26 | comments(0) | - |


ゴールデンカムイ 野田サトル 日露戦争帰還兵とアイヌ少女の冒険マンガ
最近はめったに漫画は読まないのだが、試読したらあまりにすばらしいのでAmazonKindleで全9巻を買ってしまった。3月に10巻目が発売される。

ゴールデンカムイは野田サトルの週刊ヤングジャンプに連載されているマンガ。マンガ大賞2016受賞だ。

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舞台は気高き北の大地・北海道。時代は、激動の明治後期。
日露戦争という死線を潜り抜け『不死身の杉元』という異名を持った元軍人・杉元佐一は、死んだ戦友の妻の病気を治す為に大金を欲していた…。
一攫千金を目指しゴールドラッシュに湧いた北海道へ足を踏み入れた杉元を待っていたのは…網走監獄の死刑囚達が隠した莫大な埋蔵金への手掛かりだった!!?
雄大で圧倒的な大自然! VS凶悪な死刑囚!! そして、純真無垢なアイヌの美少女アシパとの出逢い!!!
莫大な黄金を巡る生存競争サバイバルが幕を開けるッ!!!!


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作者の野田サトル先生は北海道北広島市出身で、アシスタント生活を経てデビュー。北海道を舞台とした北海道ならではの、アイスホッケーを素材にした作品を描いたが、読者の反応は鈍かった。
その後、約1年間の構想を経て、屯田兵として日露戦争にも従軍した曾祖父の人生に狩猟を融合し骨格を作り、読者受けを狙ってアイヌの少女を登場させるなどの構成を組み立てた。

取材は徹底的で、アイヌの言葉や民具などもできる限り忠実に再現したという。だから作品の迫力はすごく、絵から雪山の厳しい風吹が顔にあたるような臨場感がある。作品に登場するアイヌ料理や狩猟料理の繊細さから、アイヌ料理の人気が出ているらしい。

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iPadに取り込んだので、ヒマになったら読みます。いつヒマになるんだ。

  
| 読書 | 16:41 | comments(0) | - |


岩野裕一クンと栗原景クンの本を書店で購入
最近、リアル書店で本を買う機会がめっきり減ったが、珍しく近所の書店で2冊の本を買った。
実業之日本社社長の岩野裕一クンが発行した、東野圭吾「雪煙チェイス」と、フォトライターの栗原景クンの著・撮影「東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!」だ。
二人は種村直樹氏の取り巻きの中でおとうと弟子にあたるので、上から目線の書き方をさせていただくが、由緒ある出版社の社長と売れっ子ライターになり、本来ならひれ伏さなければならない。

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岩野クンは上智大学からプロパーで実業之日本社に入った。実日からガイドブックなどを出版していた種村直樹氏の口利きがあったことはだれの目にも明らかだし、本人も座談会などで語っている。編集者として力量を発揮するだけでなく、本人も音楽関係の造詣が深く、有名音楽家との交流や音楽関係の著書も多い。
出版界を取り巻く環境が激変している中、社長の要職に就いたのは奥さんの功績も大きいと思っている。
私は常々「良い本は三者=著者、読者、編集者が作る」と考えており、東野圭吾の文庫本シリーズはテレビドラマ化、映画化もされているので、今後、岩野クンとベストセラー作家との新機軸に期待がかかる。

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栗原クンは小学生のころから鉄道旅行に親しみ、種村直樹氏の名著「鉄道旅行術」にも高校生ながら「日本一周早まわりプラン」の記録を更新したとある。フリーの鉄道ライターなんて金になるのか、鉄道ジャーナル社の安いギャラが身に染みていた私はその道を進むことなど夢にも考えなかったが、才能ある人のギャラは違うと見えて、種村氏の後に続いた。栗原クンは韓国語が堪能なことでも知られ、そちらの著書や、韓国の鉄道にも詳しい。
二人を見ていると、一つのことだけではだめなようだ。



27日の名古屋出張に「東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!」を持って行った。あいにくの雨模様で車窓は楽しめなかったが、実に詳しく書いてある。車窓の光景の紹介のみならず、対象の奥深い薀蓄までよく取材して書いてあり、これは種村氏にもできない仕事だ。

正月休みに、2冊の本をじっくり読ませていただこう。

  

  
| 読書 | 21:25 | comments(0) | - |


大創出版の100円地図帳は秀逸
100円ショップのダイソーで大創出版の「全日本道路地図」と「世界地図」を売っている。もちろん100円(税抜)だ。A4サイズ。

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全日本道路地図」は80万分の1で、日本全域の道路を網羅。
全日本の道路を網羅した一冊です。サイズも大きく、オールカラーで見やすいため、ちょっと調べものをしたいときなどに重宝します。軽くて薄いので、持ち運びにも便利。高速道路の渋滞状況や交通規制などがわかるテレホンガイド一覧も掲載されているので、より詳しい情報を入手したいときにも役立ちます。

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世界地図」は世界各地の場所・地形・地名がわかる。
世界各地の場所・地名・地形を一冊にまとめました。サイズも大きく、オールカラーで見やすいため、ちょっとした調べものをしたいときなどに重宝します。地図以外にも各国の首都、面積、人口、通貨単位、国旗などの一覧も掲載され、情報も満載です。勉強に、趣味に、ビジネスにと、一家にひとつは常備しておきたい一冊です。


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今まさにオリンピックが開催されているから、失礼ながら聞き覚えのない国、どこの位置にあるかよくわからない国を、簡単に調べられる。国旗一覧もある。

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100円だから2〜3冊買っても懐が痛まず、1冊は旅行の思い出の地を書きこんだり、1冊はリビング、もう1冊は書斎に置くなども気にならない。

特に位置関係、どの地名が西で、どの地名が南かなどを調べるのに便利だ。

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地図を見ながら旅程を立てるのに便利なのが地図用のマップマーカーだ。本来はこういう多色刷りの地図ではなく25000分の1地形図のような、白い紙に印刷された地図用なのだが、マークして数時間で消えてしまうという最大の特徴がある。
だから、地図を何度でも使える。

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ダイソーの欠点は、商品を長続きさせないで、あるロットで製造を打ち切ってしまうことだ。かつては分県地図を100円で売っていたが、いまはなくてこの地図帳だ。あるいは漫画も1,2巻出して続編を出さない。たかが100円と侮っているのは自分たち自身ではないのか。ファンがいるのだから、ロングセラーにしてほしい。

  
| 読書 | 20:02 | comments(0) | - |


気まぐれコンセプト 完全版35年分
広告業界を舞台としたおそらく唯一のマンガ、ホイチョイ・プロダクションの「気まぐれコンセプト」が1981年の連載開始から35年になり、「気まぐれコンセプト完全版アニュアルズ35年分」が発行されていた。珍しくリアル書店に行ったら置いてあったので、2600円+税にかかわらず買ってしまった。

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35年分のエッセンスを詰め込んであるので分厚い。

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「気まぐれコンセプト」は小学館の週刊ビッグコミックスピリッツに連載されており、1981年は新宿の広告代理店で駆け出しのコピーライターとして働いていたから、この漫画が自分のことのようにおもしろく、愛読した。しかし登場する広告代理店はテレビCMを日常的に扱う大手(電通や博報堂)がモデルで、小さな広告会社社員の私からすれば、うらやましくもあった。

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掲載されている4コママンガの中には、覚えているものもいくつかある。いずれも、広告業界やテレビ業界を小馬鹿にした内容で、状況を知っている私はクスクスと不気味な一人笑いを浮かべて読んだ。

巻頭には最新広告用語辞典があり、まさに最新だ。

年ごとの出来事もおもしろおかしくまとめてある。

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ちなみに、「気まぐれコンセプト」のクロニクルは3冊でているらしく、どれも持っているはずだが、一つ前のものは書棚からすぐに出てきた。

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いずれも、その年の出来事を扉にまとめてあるけれど、同じことは書いていないのはさすがだ。

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主人公の、白クマ広告社のヒライは、35年たってもヒラ社員なので、私と同じである。
私が広告業界に入ったのは1979年なので、ヒライとほぼ同じ広告マン人生を歩んでいるのだろうが、ヒライはCFの撮影やテレビの番組提供に何度も立ち会っている。私も、せんべいや即席めんのCM撮影などで、何度か撮影の立ち合いをした。

1983年の会社内の私。コピーライターで、東京トヨペットのラジオCMを山田康雄さんのナレーションで毎月作っていた。こんな服装や持ち物、仕事環境でいたのだな。
マジソンスクエアガーデンのバッグは、当時のヤングならみんな持っていたが、調べたらエース株式会社が1968年から78年にかけて製造販売していたらしく、この写真の時はもう売っていなかった。すでに捨てて現存しない。



今は還暦を過ぎても、海外を相手に仕事をしているのだから、よかったということにしておこう。

  
| 読書 | 10:41 | comments(2) | - |


週刊鉄道ペディア 小学館から絶賛発売中
毎週そろえていく週刊百科タイプの書籍は無数にあるが、またも、という感じで「鉄道ペディア」が小学館から発行されている。

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先日は中央線電車で借り切り広告をしていた。
都内のどの書店にも山積みされている。

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鉄道のすべてを、鉄道を愛する人のすべてに。
のコンセプトで、車両を愛する、時刻表を読む、駅舎を訪ねる、鉄道史を知る…全ての「鉄」ファンたちの好奇心に応えるべく、全方位から鉄道の魅力を伝えるウイークリーブックだ。

全巻50巻の購読予約した人には、昭和31年の日本国有鉄道の地図がもらえる。

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この地図、昔は車両に備わっていた。
国鉄全盛時代の、鉄道こそが交通機関のかなめであった時代の懐かしい地図だ。廃線も多いのでオールドファンには懐かしいだろう。

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全巻そろえると1800ページの百科事典になる由。リングバインダーは創刊号に付属している。

  






| 読書 | 20:48 | comments(0) | - |


贋作:北陸新幹線気まぐれ列車 3 最終話 種村直樹偽者
>2014年11月6日に亡くなった種村直樹氏が、2015年3月14日開業の北陸新幹線に乗っていたらどんなルポを書いたのだろうとの妄想をしたためた。一周忌の追悼文集から転載する。

続き

 慌ただしい二人と別れ、さて、我々はこのあとはどうしようか。
「第三セクターに乗って高岡に戻り、氷見線に乗りませんか。」と高野が提案した。
 そうだ、特急や寝台列車が駆け抜けていたJR北陸本線から、IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道の第三セクターになってしまった在来線も見ておきたい。
 氷見線も、そのうちあいの風とやま鉄道に組み込まれてしまうのか、あるいは氷見鉄道株式会社という独立した第三セクターになってしまうのだろうか。
「そうなったら先生、公募駅長に応募しましょうよ」
高野がけしかける。第三セクターやローカル私鉄で、公募駅長や公募運転士が流行っているから、いずれ元JRといえども北陸の第三セクターでもそうなるのは、よろしくないがあり得ない話ではない。
「タマ駅長よりは人気が出るんじゃないですか」と稲垣が続ける。
 猫のタマ駅長にタネ駅長が負けるのはぞっとしないが、駅長になったら、地元の人にも、鉄道が好きでわざわざ訪れる人にも、愛され楽しめる路線にしたいものだ。
「そのときは僕がコンサルをしますから」
と、高野は自分を売り込むのを忘れなかった。

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 金沢駅のコンコースの中央が、IRいしかわ鉄道の改札口だ。昨日まではJR北陸本線の改札口だったのだ。金沢発10時7分の泊行に乗り込む。これも昨日まではJRとして運行されていた車両だ。
 混んでいる車内の雰囲気はJR時代と変わりないが、車内アナウンスはIRいしかわ鉄道のもので、倶利伽羅駅からはあいの風とやま鉄道の車掌となり、アナウンスも変わった。
“ローカル駅”にしては立派過ぎる橋上の高岡駅に、10時47分に着いた。高岡市の新幹線駅はやや内陸部に新高岡駅が出来、城端線に新しく乗換駅まで作ってJRは連絡させている。高岡駅は2007年から橋上駅化工事が始まり、2011年から供用開始された。新幹線が市の中心部に来ない「お詫び」のような工事の感じがしないでもない。

 氷見線は駅の端、7番線ホームに発着する。地元の大学生が、氷見駅まで行く客に氷見市のガイドを付ける実証実験をしていた。氷見線の観光利用の利便性の向上をしなければ、氷見線の存続にもかかわるからだろうけれど、はたしてどれだけの効果があるだろうか。氷見線は、言うまでもなく雨晴駅付近の車窓を僕のベストとして掲げている。終着の氷見市だけではなく、氷見線全体として魅力を打ち出したほうが効果は高いと思う。
 11時12分の1両編成の氷見線に乗り込むが意外と混んでいる。おそらくは新幹線効果で北陸地方にどっと観光客が繰り出して、北陸全体に観光客があふれたのだろう。よい傾向だが今日だけではダメで、いつまで維持できるか、それが最大の課題である。
 越中国分駅を過ぎると、車窓右手に青々とした海が広がった。しかも振り返って左手を見ると、白い雪をかぶった立山連峰がそびえる。これこそが氷見線の魅力なのだ。高野と稲垣も久しぶりに見るのだろう、言葉もなく見入っている。

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 まもなく海に女岩(めいわ)が見えてきた。てっぺんに松が1本生えているのがチャームポイント。僕も窓にかぶりついて車窓を楽しむ。そういえば僕の追悼出版ともいえる、実業之日本社の「鈍行最終気まぐれ列車」の表紙のイラストは、女岩付近を走る氷見線だ。ついでに奥付の発行日は2015年3月7日で僕の誕生日であり、岩野裕一本部長と村上真一編集長に感謝しておく。
 11時32分に雨晴駅に到着し、何人かが降りるのでそこは気まぐれ列車、氷見まで行かないで僕たちも一緒に降りた。高岡市雨晴観光案内所が改札業務を請け負っているようで降車客は老窓口氏に切符を渡している。委託であっても駅に人がいるのは安心につながる。記念きっぷや絵葉書を売っていたけれど、今の僕には増収協力ができないのが残念だ。
 駅の裏側から海沿いを、つまりは線路沿いを歩いて、女岩を臨む展望台のようになっている護岸壁に出た。立山連峰はかすんでいるものの、ちゃんと見えている。その手前の絵になる女岩。逃避行の義経が隠れたという、義経岩とその上の神社。よい天気と相まって、雨晴の魅力を堪能した。ほかにもちらほらと観光客がいて、写真を撮りあっている。

 よく見たら北川宣浩夫妻が、観光客に交じって写真を撮っている。金沢駅では会わなかったが、おそらくは北陸新幹線の初乗りで富山か金沢まで来て、氷見線に足を伸ばして、雨晴駅で降りたのだろう。護岸壁に立って二人並んで三脚で撮影している姿はほほえましく、声をかけられるなら高野・稲垣ともども冷やかすところだった。
 まもなく次の下り列車の音が聞こえてきた。義経岩の向こうにヘッドライトが見える。北川が望遠レンズをつけて列車の写真を撮りだした。海沿いにカーブを描いて走ってくる列車は、地元キャラクターのイラスト列車だ。どうやら北川たちは、この列車の氷見駅折り返しに、雨晴駅から乗って富山方面に戻るらしい。では僕たちもそれで戻るとしよう。

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 雨晴駅には10人ほどの乗客がいて、なかなかの盛況だ。さきほどのキャラクター列車が氷見駅から戻って入線してきた。僕たちが北川夫妻の後ろから乗りこんだら、座席で手招きをしている初老の男がいる。辻聡だ。一瞬、僕を呼んでいると思ったが僕が見えるわけがなく、北川たちと声を掛け合って同じボックスに座って歓談を始めた。話を聞いているとどうやら別々の新幹線で金沢に来たらしく、辻はさっき氷見駅まで乗ってそのまま折り返した由。
 列車が走り出すと、すぐに車窓左手は女岩の絶景になった。遠くに立山連峰がうっすらと見える。海と山、まさにこれぞ氷見線、これぞ日本のローカル線だ。
辻が、もそもそとバッグをかき回したかと思うと、写真立てを取り出した。なんと僕の写真だ。
 「今回は遺影を持ってきていてね」と北川夫妻に言いながら、窓側にそれを置いて外に向けた。僕に氷見線の車窓風景を見せてくれているのだ。
 なにやらじんわりする光景だ。辻も北川夫妻も、わざわざ氷見線に乗っているということは、僕の「追悼乗車」に違いない。高野、稲垣ともども顔を見合わせてうなずいた。

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 高岡駅から第三セクターに乗り換え、富山駅に着いて辻たちは雑踏の中に消えていった。
「次は来年の北海道新幹線開業ですかね」「そうだなぁ」
高野と稲垣と三人で、いや、たぶん辻たちとも再び新幹線開業に乗れるとはあれうれしや。新函館北斗駅、というらしいが、函館には白井朝子フォトグラファーや高橋摂エディターもいるので、にぎやかに開業を祝えることだろう。
 僕たちは、このあとはそれぞれの家にちょっと寄って、冥土に戻ることにした。


 これからも、みなさんが汽車に乗れば、僕もそこに乗っている。みんなには見えないけれども、僕は一緒に乗っている。北海道新幹線開業であっても、廃線が噂されるローカル線であっても、いつもの電車であっても、僕も一緒に乗っている。
 僕は汽車旅の楽しさを直接伝えることは出来なくなったけれども、みなさんが乗る列車には僕も乗っているのだ。
 汽車旅は、いつも、僕と、同行二人(どうぎょうににん)だ
 僕の永遠の願いは、君たちがいつもいつまでも汽車旅を楽しんでくれて、その魅力を広めてくれることなのだ。
 また、汽車に乗ろう。

<了>

この作品は3月14日に北陸新幹線に乗った時から構想があった。氷見線車中で辻氏と「先生ならどんなルポを書いただろうか」と話していた。
先に読んだ人から「どうしてこういう発想ができるのか」「なんでそっくりな文章が書けるのか」と、驚きの感想をいただいた。それは私が絵を描けて文章を書けてと、非凡で並はずれた才能を持っているのと、種村直樹氏に対する深い思いに他ならない。

この作品で私が言いたかったのは、最後のセンテンスに集約されている。お分かりいただけると思う。

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