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梅ちゃん先生 梅子(堀北真希)はギランバレー症候群放棄で開業
NHK朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の矛盾点や脚本・演出の批判や突っ込みです。検索で飛んできた通りすがりや名無しさんは、お互いに不愉快になるだけですからご遠慮ください。

今週後半のお話。
帝都大学附属病院の第二内科部長教授である梅子(堀北真希)の父建造(高橋克実)が脳軟化症で入院してしまったため、第一内科と担当患者のやりくりが行われ、梅子は肺炎で入院している陸上をやっている高校生、並木涼子(田アヤカ)の担当になる。

●難病患者を放棄する梅子
涼子はカレシから貰ったキャラメルを梅子にもあげるが、その都度キャラメル箱を落としてしまう。それを見た梅子はある疑問を抱き、涼子を検査して診断・判定・即答・告知をする。
「あなたはギランバレー症候群という病気です。もう陸上競技はできません」

ギランバレー症候群

先週から急に賢くなった梅子だがこの診断もあまりに唐突で早急。
これまでも聴診器を当てるだけで病名を告知して薬を処方するスーパー梅ちゃんになったが、今回はあまり聞きなれない病名を告知し、選手生命を断つ。
通常は念には念を入れ重岡助教授と相談するなり、せめてセリフでそういうシーンが欲しい。
それ以前に前任の重岡助教授が涼子の病気を見逃しているのが問題であり、これは狭山医師が自殺未遂の片岡弓子のメッケル憩室炎を見逃して松岡医師が触診で発見したのにも通じる。
ヒロインの周囲でコトを運ぶドラマとしてはやむを得ないのかもしれないが、こんな上司でいいのかと思ってしまう。つまり脚本上でのフォローが足りない。

ギランバレー症候群をWikipediaで調べると、「急性・多発性の根神経炎の一つで、主に筋肉を動かす運動神経が障害され、四肢に力が入らなくなる病気である。日本では特定疾患に認定された指定難病である。」とある。1955年(昭和30年)当時、医師の間でもどれだけの認知があったか、疑問を呈する。後世になって大原麗子安岡力也が発症し、死に至っているので確かに珍しい難病には違いないが、なぜバカドジ女の梅子にこういう病名を唐突に言わせるのだろう。

しかも梅子は涼子の治療をするでもなく、「大学病院を辞めて開業したい」と言い出す。
つまり涼子は梅子が賢くなった象徴で登場しただけであり、患者と真摯に向き合う医師という、このドラマで本来伝えるべき要素の象徴などではまったくない使い捨て患者・使い捨てエピソードなのだ。エピソードの回収はない。

このサジ加減のいいかげんさは「梅ちゃん先生」全体を貫いており、視聴者が戸惑い、呆れ、脚本家や演出家を侮蔑する大きな理由につながっている。

その場しのぎの話のおもしろさのみを追求しているため、半年間の連続ドラマとしての大きなつながりや人物の成長が見えないのだ。梅子が医師として大成するには、少女時代からの行動というものがあるだろう。それが一切ない。医専時代も落第生なのに、宇宙人が宿ったように利口に変異する。

確かに梅子は成長したのだろう。だがここに述べたように唐突に成長したのだ。レコードが蓄音機からLPになるのではなく、エジソンの蝋管がいきなりCDになったような異常なまでの成長だ。雷に打たれて突然変異したのでもない。
そういうわけだから視聴者の気持ちにどんよりと淀むのは違和感や不信感だ。

●金の工面もしないで開業へ
少女時代から後先のことを考えない梅子は蒲田の人々を診察してありがたがられたことから、帝都大学病院の助手職を蹴って蒲田で開業しようとする。松岡(高橋光臣)は高めの開業見積もりを出して梅子を諦めさせようとするが、梅子は応じなかった。

戦中から住んでいたバラックを改装して下村医院にするが、信郎(松坂桃李)が紹介した銀行は金は貸すが担保がいると言う。当然だ。
担保物件は今住んでいる土地と建物しかない。だが父建造は「開業は許したが金のことは知らん」と突っぱねる。

このエピのわずか前、脳軟化症で入院している建造に、妻芳子や養母正枝は梅子の開業を認めさせようと乗り込む。当初、建造は開業に反対していたのだ。
そのため見舞いも付き添いで世話もしない家族たちは梅子の開業を認めさせようと押し掛けるのである。あたかも圧力団体のように病院の廊下を突き進んで建造の病室に松子も竹夫もそろえて行こうとするのである。

これも明らかにおかしいだろう。
脳梗塞や心筋梗塞は心の安寧が大切な治療となるのだが、それと正反対のことを家族はするし、さらには梅子のバイト先の坂田医師までやってきて「背中をたたいてやれ」と、けしかける。
建造は家族の中でそれほど疎まれ病気もなにもあったものではない。死を待たれているだけか。
建造からすれば平常時ですら大きなストレスだ。
この点、梅子が「開業の話はお父さんの病気が治ってから」といって家族をなだめるのは正しい。

結局は建造は土地建物を担保に銀行から開業資金の融資を受けるのを認める。ただし建造は下村家の養子だ。土地建物は養母正枝の名義ではないのか。下村父が亡くなった時に建造名義に相続したのだろう。

梅子は、あることに目が向くと周囲が見えなくなる病気は治っていない。患者もほっぽり出して開業開業となる。そして周囲の人々は梅子を極端に甘やかして、唐突早急に開業する。
まさしく「甘ちゃん先生」である。ちなみに「あまちゃん」は2013年上期の朝ドラのタイトルだ。すでに先取りしているのだ。

●下村梅子さん送別会
梅子が退職する日、第一内科と第二内科合同の送別会が開かれる。そのとき、黒板に書かれたみんなからの餞別の言葉。



疾風に勁草を知る 三枝
君の決断を尊重します 重岡
必死に論文を書いている姿に感銘を受けました 大橋
医の道は人の道 小田
患者さんに丁寧に向き合う姿勢を大切にしてください 山下幸枝
お別れは寂しいけどがんばってください 山田
日替わり定食だけでも食べに来てください 食堂のおじさんヨリ
努力精進 松岡
今までありがとうございました 谷津
お疲れさまでした 開業してもがんばってください 伴田
優しくしてくれてありがとうございました 中井
一緒に働けないのは寂しいけれどいつでも相談に乗るからね 沢田弥生
Good Luck 津田
Alles Gute und viel Erfolg! 狭山
梅子さんなら出来ます!山倉


こんなありがたい餞別の言葉を黒板に書いてもらって、梅子はこの黒板をもらい受けて待合室にでも飾るのだろう。

放送から3か月、半分が過ぎてヒロインに大きな転機が訪れるのは朝ドラの宿命。「ゲゲゲの女房」では不遇の水木しげるの元に少年ランドから原稿依頼が来るし、「カーネーション」は戦争が終わった。
「梅ちゃん先生」は文字通り梅ちゃん先生として、蒲田の地域医療に奔走することになる…。これまでが酷過ぎる。一応見なかったことにしてやる。だが、今後も同じなんだろうな。

建造は左半身不随などの後遺症はまったくなく、来週はピンピンしているのだろうが。

  


| 梅ちゃん先生(NHK) | 14:28 | comments(4) | - |


コメント
いつも鋭いツッコミ、敬服いたします。

このドラマ、もはや医療コントですね。
時代考証、医療考証の先生は単なる名義貸しなので
はないかとすら思ってしまいます。
私はコントと割り切って楽しんで見ていますが、
割り切ってしまうと入れるべきツッコミを入れる
こともなくなって、私のように思考が停止して
しまうかもしれません。

それでもあのアングルで「安岡製作所」の看板が
見えるほど安岡家の土地が広大だったのには
ただただ驚きました。
まぁ下村家も旧居を残してかなりの間取りの新居が
建つほどに広大だったわけですが・・・。
ロケ地とスタジオ?だったから可能だとしても、
あの広さで現実的に可能だったのか?
とにかく私にはもうわかりません。

送別会の寄せ書きメンバーの中で松岡や弥生、
山倉といったメジャーなメンバーはともかく、
なぜか役名がフルネームで与えられている山下さん
が梅ちゃんの開業後にこのドラマでどのように
梅ちゃんに絡んでいくのか、パズルのピースを埋め
ていけば何となく想像がついてしまいますが、
それはそれで楽しみです。
| 大輔 | 2012/07/07 10:40 PM |
大輔さま
いつもありがとうございます。
おっしゃるとおり医療コントですが、それにしても朝ドラで医療をコントにするのはご法度かと。夜のバラエティ(ドリフとか)はアリですが。
そのため、登場人物すべてに倫理観がない非常識なキャラばかりで、すなわち脚本家や演出家の倫理観のなさが露呈しており、不快な番組です。

例として解剖室の停電や病名告知、おせっかいすぎる梅子など。
孫娘の前でストリップの話をする祖母や医者を目の前にしてキライだとなじるモンスター患者(加藤の母)とか。

安岡家との土地境界線問題。
下村家はバラックを残してあれだけの家を建て、安岡家は道路にはみ出るように(道路を遮断するように)広げてしまっており、あれはゲゲゲハウスみたいに四次元になっているのかもしれません。

この何年か朝ドラを熱心に見ていますが、近来まれにみるあれほどいい加減な番組が視聴率20%超とは、日本も終りです。
| Admin | 2012/07/07 10:59 PM |
新聞に載る来週のあらすじを見ると唖然とさせられますが…
ギラン・バレー症候群,一般的に予後良好で,ALSのように,最終的に死に至ることがほぼ必然の疾患ではないものの,たまに呼吸筋麻痺から挿管に至ったりします。そんな疾患を,診断だけしてバイバイ。バイバイするなら開業した先でも継続して診察するべきでしょう。そうでないなら,告知は後任の医者にやらせるべきです。こんなことを実際にやったら,「非常識だ」と後々まで言われること請け合いです。
現在でも,神経内科領域の疾患は,「診断はつくが治療法がない」ということで医者の心が折れそうになることが多いです。それなのに,話のつなぎのような感じで神経変性疾患を取り上げる,考えただけで腹が立ってきます。
もっと別の疾患もあるのではないか,ただ単にデューク・東郷がなるということで取り上げたとしか思えないような突然のギラン・バレー。
このようなドラマを「リアリティーがある」としていた某スポーツ紙の評を疑ってしまいます。
| Q | 2012/07/08 10:04 PM |
Qさま
梅ちゃん先生全体を連ねているのは、その場しのぎの細切れのエピソードと倫理観のなさです。今回の涼子はその両方を兼ね備えています。
来週も医者ドラマで仮病が登場するようですね。
医師に対して仮病する患者は現実にもいますが(多くは保険金目当てのその筋)、正枝が竹夫に戻ってきて欲しいから仮病をしたり、幸吉が信郎を目覚めさせたいから仮病をさせたり、仮病を乱発する脚本自体が倫理観がないのです。つまりほかのエピソードで話を展開させる能力を脚本家や演出家が持ち得ていないのです。
| Admin | 2012/07/08 11:21 PM |
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