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新潟少女殺害事件 死後轢断と下山事件
新潟市で小2の少女が絞殺されたのちにJR越後線の線路上に放置され、電車に轢かれた痛ましい事件。
警察は近所に住む20代の男を逮捕した。動機などは今後解明されていくだろうが、女児の冥福を祈りたい。
それにしても、1年以上前から不審者情報があったのに、特になにも手立てをしなかったようだがどういうことか。最悪の結果を招いてしまったではないか。

ところで、女児が死んでから列車に轢かれた、つまり死後轢断と聞いて、真っ先に下山事件が脳裏に浮かんだ。

まだ占領下の昭和24年(1949年)7月6日、初代国鉄総裁の下山定則氏が国鉄常磐線北千住〜綾瀬間で轢死体で発見された事件だ。

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↑NHKドラマより

その前日、7月5日、大田区の自宅を公用車のビュイックでいつもどおり出勤した下山総裁だったが、その後国鉄本社に現れず、夕方のラジオニュースで行方不明を聞いた運転手が届け出て事件が明るみに出た。
運転手は出勤前に三越で総裁と別れ、車に戻るのを待っていた。夕方までひたすら待っていたのである。

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↑NHKドラマでは小林桂樹が下山を演じた。下山は48歳で死んだ。

その朝、下山はまっすぐに国鉄に向かわず、行先をあちこち変えて運転手に指示し、最後に三越で別れたきりになった。国鉄本社では秘書がいつもどおり出迎えで待っていたが、いつまでたっても公用車が来ないので、大騒ぎになっていた。

下山はGHQ側から大量の人員削減を命じられていた。いわゆるドッジ・ラインである。
しかし国鉄一家として過ごしてきた下山はそれはつらいことだった。そのためか下山は睡眠薬を服用していた。

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↑ドラマでの事件現場。あくまでロケ地。

だから大勢は下山が自殺したとみられていた。出勤前にあちこちに車を行かせた常軌を逸した行動もそれをうなづかせた。
だが、東大医学部の司法解剖で下山の遺体は出血が少なく生活反応もないので、死後に轢断されたと判断された。それはつまり他殺されて現場に運ばれ、列車に轢断されたということである。
下山の遺体は大きく5つの部位にバラバラになっており、私は腕だけが線路上に転がっている写真を見たことがある。折からの雨で現場検証は困難を極め、遺品の回収も満足にできず、たとえば愛用のパイプは結局見つからなかった。それは殺害現場が別にあるのを示唆している。

いっぽうで、慶大医学部は列車の轢断遺体は生活反応が現れないケースも多々あるとし、新聞社も自殺派と他殺派に分かれる大論争となってしまった。

●自殺説の根拠の例
下山は米軍から国鉄の人員整理を命じられており苦悩していた。
睡眠薬を多用していた。
車を脈絡なくあちこちに行かせた。
下山らしき人物を現場付近で見かけた人が大勢いる。
夫人が「自殺したんじゃないかしら」とつぶやいた。
現場は大柄な下山の遺体を運ぶには数人がかりでも足場が悪すぎて困難であり、自殺なら本人が歩いて行ける。

●他殺説の根拠の例
遺体に生活反応がない(死体が轢かれた)。
鉄道を愛していた下山が鉄道を穢すような鉄道自殺はしない(知人たちの話)。
血がほとんど流れていなかった(別の場所で殺された)。
轢断した列車の一本前が進駐軍専用列車でその列車から遺体を落とした。
現場近くの小屋に大量の出血の跡があった(かつて大けがをした人がいたのがわかった)。
遺体の服から植物油や染料が見つかった(そういう工場で殺されたとの説)。
線路上にルミノール反応(血液反応)が出た(遺体を運んだ。⇔当時の列車は垂れ流しで、女性の経血がいくらでも落ちていた)。


その後、三鷹事件、松川事件の列車事故(事件)が相次ぎ、下山事件の捜査も米軍筋の動きがあって困難になり国鉄三大ミステリー事件と呼ばれ迷宮入りになってしまった。

下山事件は戦後間もない占領下で起きた事件で、真相は闇の中である。
松本清張は「小説・下山事件」で米軍の謀殺と推理しているし、取材にあたっていた朝日新聞記者の矢田喜美雄は「謀殺下山事件」としてやはり謀殺(他殺)を訴えている。

実際に捜査をした警視庁の名物刑事平塚八兵衛は「自殺に決まっている」と謀殺説を切り捨てている。

さて、なんでもそうだが、現代の医学や捜査技術を使えば、下山事件はキチンと解明できたのではないか、ということだ。今回、死後轢断とすぐに判断されたのも、医学のなせるワザだろう。
犯人は少女が鉄道自殺したと見せかけたかったのかもしれない。

なお、今でも下山事件に関心を持つ人は少なくないと見えて、下山事件資料館は非常に詳しい。
マンガ原作者の長崎尚志は「ビリーバット」と「闇の伴走者〜編集長の条件」に下山事件を登場させている。

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ちなみに現場はすでに高架になっている。移築されたが事件の慰霊碑があるらしく、一度行ってみたい。

  
| ニュース | 22:48 | comments(0) | - |


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