CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< May 2020 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
Amazon左








マウスコンピューター/G-Tune






MOBILE
qrcode
<< 八つ墓村 NHK 吉岡秀隆・真木よう子・村上虹郎 | main | 網戸の張り替え方法 >>
気まぐれ列車だ僕の旅 九州・南西諸島渡り鳥 種村直樹
日本列島外周気まぐれ列車」はレイルウェイ・ライター種村直樹氏のライフトラベルで、日本列島の外周を日本橋から逆時計回りに、公共交通機関の鉄道やバスを乗り継いで一周するという壮大な旅だった。1980年に開始し、2009年に完結した。

今回読んだ「気まぐれ列車だ僕の旅 九州・南西諸島渡り鳥(実業之日本社)」は、20世紀末に鹿児島県から種子島、屋久島や吐噶喇列島などの南西諸島の離島をめぐり、沖縄県の日本最西端与那国島まで行って再び九州本土に戻り、下関までの行程を書き綴った書籍である。

気まぐれ列車だ僕の旅 九州・南西諸島渡り鳥

通常は、他の旅行と含めた"気まぐれ列車シリーズ"として単行本化されるが、版元の事情などで3年半の歳月が過ぎたので、外周だけをまとめた書籍として2000年3月に発行された。
種村氏はこの本の刊行まもない2000年11月に(最初の)脳梗塞を患ったので、以後は再び間隔があき、最初に連載していた「旅と鉄道」誌の休刊と復刊を交えつつ、紀行文としては静岡県あたりで連載が途絶えた。最後のゴール部分は雑誌連載もなく、執筆されてもいない。もちろん単行本になっていない。

私は1996年ごろまでは「旅と鉄道」の「種村直樹の汽車旅相談室」のイラストを受け持っており献本いただいていたので、この本に書かれた前半部分は「旅鉄」で読んでいたのだろうが、後半は「旅鉄」がもらえず読んでいないはずだ。

最近、種村本を読み返しており、まとまった外周本を読んで外周気まぐれ列車とは何だったのか、思い返してみた。

一言でいうなら「個人の趣味」であったと思う。
それが延々と本になり、応分の収入につながったのだから、すごい。同行者は素人だから自腹だったのだ。
それにしては、特に本書の範囲は九州・沖縄の離島で、時間も金も体力も必要なエリアで、本の厚みも種村本の1、2位を争うのではないか。

この本に収録されている旅程は、船でないと行けない離島が多く、これでもかこれでもかと、有人離島をきめ細かく回っている。時化などで船が出ないときは本土を先に回ったり、逆にあとから"落穂ひろい"と称して当初行けなかった離島をわざわざ巡りに行くこともあり、必ずしも外周ルートに従っての旅ではなかった。しかも鉄道のない離島だから地名のなじみも薄く、いったいどこをどう巡っているのか、わかりにくかった。同じような小さな島が多くて有名観光地も少なく、本人からすれば違いがあるのだろうが、特色もわかりにくかった。

IMG_20191013_0001.jpg

種村氏の60歳前後の旅であり、初老とは言え極めて精力的にバスや揺れる船で取りつかれたように島々をめぐる。よくその体力と情熱があって続くものだと感心した。もちろん、これ以外にも乗り継ぎ旅や雑誌依頼の取材もしていたのだから、そのパワーには恐れ入る。

年3〜4回の平日主体のペースで外周旅行をしたが、長期間に亘ったから、同行する取り巻きも出入りが多く、スター性のある取り巻きも少なく感情移入がしづらかった。
実は私は外周の旅にただの一度も参加していない。外周の旅の企画そのものはかなり前のバイト君時代から聞いていたが、実施されるころは会社に勤めてそれなりの仕事をしていたし、ほどなく家庭を持ったので、同行する機会を逸したのもある。そして外周の旅が"人気"を得たころは、入れ替わり立ち代わりの取り巻きの一員になるのがなんとなくイヤで、また、ゴチャゴチャした記述も読みあぐねるところがあり、種村氏が時に同行者に激怒することもあったようで、外周の旅から離れていた。日本橋のゴールにも行かなかった。

ただ、今となっては種村氏のライフトラベルであったのだから、最後の行程部分は同行者による代筆でかまわないし、紙の束でなくて電子出版でよいので全容を完成させ書籍化してもらいたいと思う。

それにしてもこの本の時代背景である20世紀末は公共の宿も多数存在し、島の小さな集落を結ぶ路線バスもそれなりにあったようだが、今はすっかり寂しくなっている。後半ではケータイも登場するけれども、今ではインターネットでバスの時刻表も用意に入手できるし、GPSロガーがあれば種村氏の外周移動軌跡も取得できて、それなりに喜んだであろう。

私も鹿児島県三島村(薩南諸島)や十島村(吐噶喇列島)に行ってみたくなったが、ケータイ国盗り合戦があるにしても、全島を回る元気はない。しかし十島村のガイドブック「トカラ列島秘境さんぽ(松島むう)」を買ってきた。本を読んで夢を馳せるのがいいところではないか。

DSC01819-のコピー.jpg

「九州・南西諸島渡り鳥」はまだ外周旅行の途中であり、この本を読了しても結論めいたことはないのだが、この本に登場する呑み助とマドンナのその後が気になった。

  
| 読書 | 17:47 | comments(0) | - |


コメント
コメントする