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種村直樹 新顔鉄道乗り歩き 1990年 中央書院
このところ、ちまちまと種村直樹氏の作品を読んでいる。

気まぐれ列車だ僕の旅 九州・南西諸島渡り鳥 2000年
バス旅 春夏秋冬 1997年
気まぐれ郵便貯金の旅 ただいま3877局 1997年

鉄道を本業とするレイルウェイ・ライターにしては、
渡り鳥=離島フェリー
バス旅=バス
郵便貯金=旅行貯金

と、さながら異種格闘技のような著作である。だが、1980年代から20世紀末まで種村直樹氏はノリにノっており、「種村」の名をつければ一定数の本は売れると踏んだ出版社が次々と執筆を依頼して、なかば趣味のバスや郵趣にまで踏み出した著作を連発した。
国鉄民営化・第三セクター化によってさまざまな鉄道会社、車両や切符が世に出たことも大きく影響している。
一方で、合理化はますます進み、廃線・廃駅・サービス低下も否めなかった。

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新顔鉄道乗り歩き」は中央書院(2011年自己破産)の「汽車旅ベストコース」の姉妹編の位置づけで、87年から89年にかけての実際の乗り歩きルポをまとめた著作だ。
1988年に開通した青函トンネル、瀬戸大橋をはじめ、全国の第三セクターや地下鉄などの都市鉄道のちょっこしした新線開業のルポで、これぞ本業である。

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まだ、急行、夜行列車、寝台車が各地に走っており、食堂車やワゴンサービスもあちこちで見られた、古き良き時代が活写されており、ついつい「昔はよかった」と思ってしまう。
しかし本書の中でも種村氏は車販の人員削減などを嘆いていたから、現在の姿を知れば、さぞ悲しむことだろう。

本書の「東北の変わり種駅めぐり」は書下ろし、他も「運輸界」「鉄道ジャーナル」などに寄稿した文を修正したものである。また、私が読んだのは1998年の第三版で1990年の初版からの変更点は注記されている。

特に東北の東北新幹線がまだ盛岡どまりで急行が闊歩していたルポは、国鉄車両の匂いまで鼻腔に甦り、昔の汽車旅を懐かしく思えた。

最終章の営団地下鉄(現:東京メトロ)の「片道最長きっぷ」は日本交通公社出版事業局(現:JTBパブリッシング)の「新・地下鉄ものがたり」のための企画で、実際にJTB担当者と乗ったのだが、紙幅が尽きて積み残しになり、思いが立ち切れず本書に収録した由。そういう他社が絡んだ舞台裏は書かないほうが良いと思うが、書くのが種村流である。

巻末の広告を見ると、中央書院の本は「アメリカ大陸乗り歩き」「ぶらり全国乗り歩き」「日本あちこち乗り歩き」と、「気まぐれ列車」の表現を使っておらず、気まぐれ列車のタイトルは実業之日本社に遠慮したのだろうか。中央書院は「乗り歩き」シリーズを定着させたかったのかもしれない。

  

| 読書 | 18:42 | comments(0) | - |


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