タレントの副業は、その知名度と人気を最大の強みにして集客を図るビジネスモデルで、飲食店、小売店経営が一般的だ。中には女優や歌手の名前をブランドにした化粧品やパンストなんてのもあるが。
ちゃんこダイニング若は、
元横綱若乃花=花田勝氏の店としてマスコミによく登場する、ってか登場するのが経営を維持する秘訣だ。
彼がどうだか知らないが、一般的にはタレントが店舗運営や企業経営ができるわけがなく、影の経営者やオーナー、ブレーンがいるのが普通である。あくまで
タレントは看板だ。
それを知ってか知らずか、花田氏はマスコミによく登場する。いくつもの店舗を足しげく通い、スタッフに細かい箴言を言い、ダメだしをしてカリスマ経営者、有名チェーン店のオーナーを印象付ける。印象付けるのが仕事なんだって。
オーナーがよく店に来るのも、有名人見たさに来店する客へのサービス。店で会えばまた来店したくなる客も多い。
さて、
店内は満席状態で、味も申し分ない。もともと二子山部屋はちゃんこがおいしいことで知られているので、厨房には引退した力士も混じっていると見える。5人くらいいた。ホールはアルバイトの若者なのだろうが、7人くらいいる。ちゃんこはテーブルにカセットコンロで作ってくれる。客は基本的にみているだけでいいのはうれしい。その分
単価は高いが。
一方その他のサービス、たとえば酒の追加やお茶の所望に対しての
対応は遅く、決していいとは言えない。また、人気店ならではであろう、2時間制で時間近くになるとホールスタッフが申し訳なさそうにだが、そろそろの退店を促す。
店員にオーナーのことを聞いても反応はいまひとつ良くない。興味本位で弟(貴乃花親方)との仲などを聞いてくる客もいるのだろうから、曖昧にするように教育されているのかもしれないが、タレント店なのだから実際はそこが売り物であり、応酬話法を用意しておくべきである。特に相撲ファンの来店も多いだろう(だってちゃんこ屋だもん)、相撲についての知識も一定レベル以上にあってもよさそうだ。
プロモーションはきちんと行われており、店頭でパンフレットを配り、ビールの客にはスピードくじのイベントがあり、帰りには2000円相当のクーポンをいただいた。
花田氏はタレントが副業で、企業経営(飲食店)が本業だと言いたいのかも知れない。元タレントでそうなった人も何人かいる。が、ベースは冒頭に書いたことであり、それを越えて真の経営者となってからのほうがいいだろう。
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「ちゃんこダイニング若」が破産 負債4億5千万円
2010年5月6日19時0分配信 産経新聞
花田勝氏プロデュースのちゃんこ鍋と新創作和食の店「Chanko Dining 若」の7軒目、新宿店がオープン。詰め掛けた報道陣に一礼して店に入る花田勝氏=2005年7月、東京・新宿区(写真:産経新聞)
帝国データバンクによると、元横綱の若乃花関が設立したちゃんこ料理店「Chanko Dining若」を全国展開するドリームアークは6日、東京地裁に自己破産を申請した。負債総額は4億4700万円。
元従業員が残業代が支払われていないとして、労働審判を申し立てるなど、厳しい資金繰りが表面化していた。
同社は、2002年7月に若乃花関(本名・花田勝氏)が設立。都内を中心に全国展開、07年7月期の売上高は約16億円を計上していた。夏場の来店客減少などから資金繰りが困難になり、コラーゲン料理専門店へ改装するなどしていたが、経営立て直しには至らなかった。