2017.09.30 Saturday
#ひよっこ 究極の伏線回収 最初から狙っていたのか 続編希望
NHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」が終わった。
東京オリンピックの翌年1965年春、茨城県奥茨城村の高校生、谷田部みね子(有村架純)は高校卒業後家業の農業を手伝うつもりでいたが、東京に出稼ぎに出ていた父の実(沢村一樹)が突然失踪して仕送りが途絶え、家計を助けるために東京に働きに出る。
向島電気でトランジスタラジオを組み立て、寮の仲間とも仲良くなる。しかし会社は倒産、父は見つからず、今度は赤坂のレストランすずぶり亭でウェイトレスとして働き始める…。
これまでの朝ドラの王道だった、成功した女性の実話をベースにしたものではないオリジナルストーリーで、ごく平凡な若い女性の4年間の出来事をつづり、最後は父も見つかり結婚に至る、ほのぼのとした物語だった。
前作の「べっぴんさん」が駄作だったため初期の視聴率は伸び悩んだが、だんだんと人気が高まり、20%を超えるようになった。幼馴染や寮や下宿先の多彩な仲間たちとのさまざまな交流も楽しかった。
しかし何と言ってもすごいと思ったのは、最終週に次々となされた「伏線回収」である。
○靴下の1万円
みね子が東京に働きに出るとき、祖父茂(古谷一行)が「本当に困ったときに」と1万円をこっそりと渡す。当時の初任給は1万円以下で、今の20万円以上の価値がある。みね子はそれを靴下にしまう。
4年後、家族で上京する時の軍資金にする。みね子はそれまで手を付けていなかった。
○長身の時子(佐久間由衣)
奥茨城村の同級生、助川時子は長身で将来女優になりたいと思っている。芽が出なかったが、当時ミニスカブームの火付け役だったツイッギーそっくりコンテストで優勝し、女優の道を歩みだす。この設定のために長身のモデル出身の佐久間由衣ちゃんがキャスティングされた、と思う。
○電気工事の松下さん
向島電気のライン長だった松下明(奥田洋平)は会社が倒産し、女工たちの再就職に尽力した。その後行方が知れなかったが、電気工事の社長兼職人としてすずふり亭に登場。それを見た元寮母の永井愛子(和久井映見)は「松下電器?」。このしゃれのために松下と言う役名だったのか。
○食堂のコックはカレーが得意
向島電気の食堂のコックの森和夫さんはカレーが得意でみんなの大好物だった。
みね子が見習いコックでカレシの前田秀俊(磯村勇斗)とレストランめぐりでカレーを食べるとどこかで食べた味。なんと和夫さんがやっている店だった。カレーが得意ということをひきずっているのだ。
○田舎のバスもワンマン化
奥茨城村のバスの車掌益子次郎(松尾諭)は自分を奥茨城の人を送りだし、迎える仕事だと思っている。しかしバスはワンマン化され車掌の仕事を失う。その後みね子が帰郷するとバスは運転手のみ。次郎の消息を聞くと村長選挙に立候補していた。
○赤いてぬぐい、マフラーにして
第38回の小ネタ。
銭湯の前を通る乙女寮の仲間たち。その後ろの銭湯の入口に赤い手ぬぐいをマフラーにした女が立っている。その後、男が出てきて二人で銭湯を後にする。大ヒットフォークソングの「神田川」である。
○重箱のエピソード
第7回(最初の1週目の土曜日)で父実はすずふり亭にお礼だと、妻美代子(木村佳乃)が作ったまんじゅうを重箱に入れて持ってくる。
そして重箱を預けて去るが、その後記憶を失う。4年後の設定の第156回最終話、家族ですずふり亭を訪ねると、重箱を預けていたことを思い出す。記憶がよみがえりつつあるエピソードとして重箱を忘れていなかった。
モデルがいない架空の話だからこそできた伏線とその回収と思うにしても、よくできている。
脚本の岡田恵和は「ちゅらさん」など3作の朝ドラを手掛けたベテランで、ちゅらさんはその後土曜ドラマ枠で何度も続編が作られた。
スピンオフも観たいけれど、ぜひ「ひよっこ」の続編を作ってほしい。それも土曜ドラマでなくて、朝ドラ本編でやってほしい。
とてもおもしろくて朝が待ち遠しかった。どうもありがとう。大好きだよ。
東京オリンピックの翌年1965年春、茨城県奥茨城村の高校生、谷田部みね子(有村架純)は高校卒業後家業の農業を手伝うつもりでいたが、東京に出稼ぎに出ていた父の実(沢村一樹)が突然失踪して仕送りが途絶え、家計を助けるために東京に働きに出る。
向島電気でトランジスタラジオを組み立て、寮の仲間とも仲良くなる。しかし会社は倒産、父は見つからず、今度は赤坂のレストランすずぶり亭でウェイトレスとして働き始める…。
これまでの朝ドラの王道だった、成功した女性の実話をベースにしたものではないオリジナルストーリーで、ごく平凡な若い女性の4年間の出来事をつづり、最後は父も見つかり結婚に至る、ほのぼのとした物語だった。
前作の「べっぴんさん」が駄作だったため初期の視聴率は伸び悩んだが、だんだんと人気が高まり、20%を超えるようになった。幼馴染や寮や下宿先の多彩な仲間たちとのさまざまな交流も楽しかった。
しかし何と言ってもすごいと思ったのは、最終週に次々となされた「伏線回収」である。
○靴下の1万円
みね子が東京に働きに出るとき、祖父茂(古谷一行)が「本当に困ったときに」と1万円をこっそりと渡す。当時の初任給は1万円以下で、今の20万円以上の価値がある。みね子はそれを靴下にしまう。
4年後、家族で上京する時の軍資金にする。みね子はそれまで手を付けていなかった。
○長身の時子(佐久間由衣)
奥茨城村の同級生、助川時子は長身で将来女優になりたいと思っている。芽が出なかったが、当時ミニスカブームの火付け役だったツイッギーそっくりコンテストで優勝し、女優の道を歩みだす。この設定のために長身のモデル出身の佐久間由衣ちゃんがキャスティングされた、と思う。
○電気工事の松下さん
向島電気のライン長だった松下明(奥田洋平)は会社が倒産し、女工たちの再就職に尽力した。その後行方が知れなかったが、電気工事の社長兼職人としてすずふり亭に登場。それを見た元寮母の永井愛子(和久井映見)は「松下電器?」。このしゃれのために松下と言う役名だったのか。
○食堂のコックはカレーが得意
向島電気の食堂のコックの森和夫さんはカレーが得意でみんなの大好物だった。
みね子が見習いコックでカレシの前田秀俊(磯村勇斗)とレストランめぐりでカレーを食べるとどこかで食べた味。なんと和夫さんがやっている店だった。カレーが得意ということをひきずっているのだ。
○田舎のバスもワンマン化
奥茨城村のバスの車掌益子次郎(松尾諭)は自分を奥茨城の人を送りだし、迎える仕事だと思っている。しかしバスはワンマン化され車掌の仕事を失う。その後みね子が帰郷するとバスは運転手のみ。次郎の消息を聞くと村長選挙に立候補していた。
○赤いてぬぐい、マフラーにして
第38回の小ネタ。
銭湯の前を通る乙女寮の仲間たち。その後ろの銭湯の入口に赤い手ぬぐいをマフラーにした女が立っている。その後、男が出てきて二人で銭湯を後にする。大ヒットフォークソングの「神田川」である。
○重箱のエピソード
第7回(最初の1週目の土曜日)で父実はすずふり亭にお礼だと、妻美代子(木村佳乃)が作ったまんじゅうを重箱に入れて持ってくる。
そして重箱を預けて去るが、その後記憶を失う。4年後の設定の第156回最終話、家族ですずふり亭を訪ねると、重箱を預けていたことを思い出す。記憶がよみがえりつつあるエピソードとして重箱を忘れていなかった。
モデルがいない架空の話だからこそできた伏線とその回収と思うにしても、よくできている。
脚本の岡田恵和は「ちゅらさん」など3作の朝ドラを手掛けたベテランで、ちゅらさんはその後土曜ドラマ枠で何度も続編が作られた。
スピンオフも観たいけれど、ぜひ「ひよっこ」の続編を作ってほしい。それも土曜ドラマでなくて、朝ドラ本編でやってほしい。
とてもおもしろくて朝が待ち遠しかった。どうもありがとう。大好きだよ。